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日本三大祭り『祇園祭』

京都の夏の風物詩。そう聞いて思い浮かぶのは 川床・五山の送り火・ハモ料理 などがありますが、やはり一番は『祇園祭』ではないでしょうか?東京の神田祭・大阪の天神祭に並ぶ日本三大祭りの一つとして、京都や関西の人だけではなく全国的にもとても有名なお祭りですね。毎年7月に入ると、街を歩けば色々なところからコンチキチンのお囃子の音が聞こえ「あぁ夏がやってきたなぁ」と実感します。京都の街が熱気に包まれ祇園祭一色となる光景は圧巻です!

 

祇園祭ってどんな祭り?

そもそも、祇園祭とはどのようなお祭りなのでしょうか?

祇園祭の起源と歴史

祇園祭とは、京都で毎年7月1日から一か月をかけて執り行われる祇園・八坂神社の祭礼です。疫病退散を祈願した※『祇園御霊会(ごりょうえ)』が始まりで、その歴史は平安時代にまで遡ります。※思いがけない死を迎えた人の御霊による祟りを防ぐための鎮魂のための礼儀。平安時代前期、平安京ではたびたび疫病が流行し、多くの人が命を落としました。そこで人々は疫病への恐怖と祟りが起きないようにと『神泉苑(現在の東寺真言宗寺院)』に、平安京の国の数66本の鉾を立てて悪霊を集め祓い、祇園天神と称された『祇園社(現在の八坂神社)』に神輿3基を送り御霊会を行って神様に祈りを捧げたと言います。
『祇園御霊会』は疫病が流行した時のみ行われていましたが、970年(元禄元年)より毎年行われるようになり時代が進むにつれて民衆が関わるようになっていき、徐々に祭りとしての要素が加わっていきました。
室町時代になると四条室町を中心に自治組織が作られ、各町ごとに山鉾を作って街中を巡行する現在の形になっていき千年以上続く大変歴史ある祭りとなりました。

山鉾について

先程から何度も出てくる山鉾(やまほこ)。一体どのようなものなのでしょうか?

山鉾とは?

神社の祭礼に引かれる山車の一つで、車の台の上に家や山などの作り物をしてその上に鉾や長刀などを立てた物のことを言います。祇園祭の山鉾巡行は一か月続く祇園祭の中で最大の見どころと言っても過言ではなく、7月17日の前祭(さきまつり)と7月24日の後祭(あとまつり)の二日間に分けて行われます。山鉾には、前祭の巡行で京都の町中の穢れを祓ってから八坂神社の神様を神輿で町にお迎えする『神幸祭(しんこうさい)』、後祭でもう一度巡行し再度穢れを祓い神様を八坂神社にお返しする『還幸祭(かんこうさい)』という重大な役割があります。
祇園祭に登場する山鉾は全部で33基あり、それぞれにご神体が祀られ様々なご利益があるとされていて、なんと釘は一本も使わず大工さんが縄のみで組み立てます。出来上がった33基の鉾が全て同時に巡行してしまわないように毎年7月2日のくじ取り式で巡行の順番が決まり、中には毎年先頭を飾る長刀鉾など、いくつかの鉾は『くじ取らず』といって順番が決まっています。この33基のうち29基が国の重要有形民俗文化財に指定され、山鉾巡行は無形文化遺産に登録されています。
「山」は昇方(かきかた)と呼ばれる20名ほどの人々によって巡行されます。高さ地上約15メートル・重さ1.2トン~1.6トンあり、飾りや人形など各山に特徴があります。「鉾」は曳方(ひきかた)と呼ばれる40名もの人々によって巡行されます。山鉾巡行の先頭という大役を担う長刀鉾は高さ25メートル・重さ11トンもあり、他の鉾と違って唯一人形ではなく本物の稚児(ちご)が乗る鉾です。

そんな各町の山鉾をご紹介します。

前祭の山鉾一覧とご利益

前祭(7月17日巡行)
・長刀(なぎなたほこ) 厄除け・疫病除け
・蟷螂山(とうろうやま)  厄除け・疫病除け
・芦刈山(あしかりやま) 夫婦和合・縁結び
・木賊やま(とくさやま) 迷子防止・再会
・函谷山(かんほこやま)  厄除け・疫病除け
・郭巨山(かっきょやま) 開運・金運向上
・綾傘鉾(あやかさほこ) 安産・縁結び
・伯牙山(はくがやま)  厄除け・疫病除け
・菊水鉾(きくすいほこ) 不老長寿・商売繁盛
・油天神山(あぶらてんじんやま)  厄除け・疫病除け
・太子山(たいしやま) 知恵・学問成就・身代わり
・保昌山(ほうしょうやま) 縁結び
・鶏鉾(にわとりほこ)  厄除け・疫病除け
・白楽天山(はくらくてんやま)  厄除け・疫病除け
・四条傘鉾(しじょうかさほこ) 招福・厄除け
・孟宗山(もうそうやま) 親孝行
・月鉾(つきほこ)  厄除け・疫病除け
・山伏山(やまぶしやま) 雷除け・厄除け
・占出山(うらでやま) 安産
・霰天神山(あられてんじんやま) 雷除け・火災除け
・放下鉾(ほうかほこ)  厄除け・疫病除け
・岩戸山(いわとやま) 開運
・船鉾(ふねほこ) 安産

※前祭(さきまつり)の山鉾は7月10日から14日に建てられます。

後祭の山鉾一覧とご利益

後祭(7月24日巡行)
・橋弁慶山(はしべんけいやま) 身体健康
・北観音山(きたかんのんやま)  厄除け・疫病除け
・鯉山(こいやま) 立身出世
・八幡山(はちまんやま) 夫婦和合・子供の健康・夜泣き封じ
・黒主山(くろぬしやま) 盗難除け
・南観音山(みなみかんのんやま)  厄除け・疫病除け
・役行者山(えんのぎょうじゃやま) 安産・交通安全・疫病除け
・浄妙やま(じょうみょうやま) 勝運
・鈴鹿山(すずかやま) 雷除け・疫病除け
・大船鉾(おおふまほこ) 安産

後祭(あとまつり)の山鉾は7月18日から21日の間に建てられます。

食べられない粽(ちまき)

それぞれの鉾山で作られ販売されている粽。端午の節句に食べる縁起物のイメージですが、祇園祭で販売されているこの粽は食べ物ではなく疫病・災難除けのお守りとしての役割があります。その年の粽を玄関先に飾って翌年の祇園祭で新しい粽と取り換える習わしで、自分に合ったご利益の山鉾を探して買いに行くのも京都の人の楽しみの一つです。

 

祇園祭の主な祭事と日程

今までにご紹介した山鉾巡行などの祭事は祇園祭の中のごくごく一部で、ほぼ毎日いろいろな祭事が行われています。

祇園祭公式サイトより引用しております。
http://www.gionmatsuri.or.jp/schedule/

1日~18日 吉符入り各山鉾町
1日 午前10時 長刀鉾町お千度 八坂神社
1日~11日  二階囃子 各山鉾町(鉾・曳山のみ)
2日 午前10時 くじ取り式 京都市役所 市会議場
午前11時30分 山鉾町社参 八坂神社
3日 午前10時 神面改め(しんめんあらため) 船鉾町
5日 午後3時30分頃~ 長刀鉾稚児舞披露 長刀鉾町
7日 午後2時 綾傘鉾稚児社参 八坂神社
10日~14日 前祭山・鉾建て前祭 各山鉾町
10日 午後4時30分~9時 お迎え提灯 氏子区内
午後8時頃~神輿洗(みこしあらい) 四条大橋
12日~13日 前祭山鉾曳き初め(ひきぞめ)・山舁き初め(かきぞめ) 前祭各山鉾町(鉾・曳山、一部舁山)
12日~16日 夕刻より 山鉾上での囃子前祭各山鉾町(鉾・曳山のみ)
13日 午前11時 長刀鉾稚児社参 八坂神社
午後2時 久世駒形稚児社参 八坂神社
14日~16日 前祭宵山前祭 各山鉾町
15日 早朝斎竹(いみたけ)建て 四条麩屋町
午後8時 宵宮祭 八坂神社
16日 午前9時 献茶祭 八坂神社
夕刻より 宵宮神賑奉納行事(よいみやしんしんほうのうぎょうじ) 八坂神社
17日 午前9時~ 前祭山鉾巡行 氏子区内
くじ改め 四条堺町
午後4時~ 神幸祭(しんこうさい)(神輿渡御(みこしとぎょ)) 八坂神社~四条御旅所
18日~21日 後祭山・鉾建て 後祭各山鉾町
20日~21日 後祭曳き初め(ひきぞめ)・山舁き初め(かきぞめ) 後祭各山鉾町(鉾・曳山、一部舁山)
21日~23日  後祭宵山 後祭各山鉾町(鉾・曳山のみ)
23日 午前9時 煎茶献茶祭 八坂神社
午後 護摩焚(ごまた)き 役行者町
24日 午前9時30分~ 後祭山鉾巡 行氏子区内
くじ改め 寺町御池
午前10時~ 花傘巡行 八坂神社~市役所前~八坂神社
午後4時頃~ 還幸祭(かんこうさい)(神輿渡御(みこしとぎょ)) 四条御旅所~八坂神社
25日 午前11時 狂言奉納 八坂神社
28日 午後8時頃~ 神輿洗(みこしあらい) 四条大橋
29日 午後4時 神事済奉告祭(しんじすみほうこくさい) 八坂神社
31日 午前10時~ 疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい) 八坂神社境内疫神社

※行事の日程や時間が変更される年もあるので、ご注意下さい。

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