屋根の塗装は経年劣化するものなので、適切なタイミングでリフォームを検討することが重要です。
そこで、屋根の塗装にはどのような効果があるのか、具体的にはいつ屋根塗装を検討すれば良いのかなどについてご紹介します。
屋根塗装の効果と必要性
屋根塗装を行うことによって得られる効果と必要性をご紹介します。
遮熱性や断熱性の強化
塗料の中には遮熱塗料や断熱塗料と呼ばれるものがあり、これらを活用することにより室内の温度を快適に調整することが可能です。
冷暖房コストを抑えることにもつながるので、夏場の暑い日や冬場の寒い日に室内で快適に暮らせないと感じている方は、遮熱性・断熱性を高めるためにも屋根塗装を検討することをお勧めします。
サビ発生の抑制
屋根の棟板金はサビが発生してしまうことがありますが、屋根塗装を行う際には「ケレン」と呼ばれるヤスリがけ作業を行ってからサビ止めを塗ります。これによりサビの発生を抑えられるのもポイントです。
防水性を高める
現塗膜には屋根材を雨などの水分から守る働きがあります。ですが、塗膜の一部がはげていたり劣化したりしていると十分な防水効果を発揮できません。屋根塗装をすることにより、雨漏りのリスクを抑えることにもつながります。
カビや苔対策
塗料の中には防カビ性に優れているものや、苔や藻の発生を抑えられるものがあります。特に海沿いにある住宅などは常に湿度が高い環境に囲まれていてカビや苔が発生しやすくなってしまいますが、屋根塗装を行うことによりこれらのリスクを抑えることが可能です。
屋根塗装の劣化の目安とタイミング
屋根塗装のタイミングとしては次のようなものが挙げられます。
スレート屋根
コロニアルやカラーベストとも呼ばれるスレート屋根は、国内の住宅で最も一般的なタイプの屋根材として使われています。
屋根の塗装は新築から徐々に状態が悪化し、塗膜が剥がれたり防水性が弱まったりするので、定期的にメンテナンスを検討しなければなりません。7年から10年ほど経つと状態が悪化しやすいので、このタイミングで屋根塗装を行うことをお勧めします。
目で見た時に、スレートが変形している、欠けている、ひびが入っているといった場合は劣化のサインでもあるので、上記のタイミングを待たず、早めに塗装すると安心できます。
トタン屋根
安価であり施工もしやすいことから多くの建物に使われているのがトタン屋根です。これは鋼板を亜鉛でめっきしたもののことをいいます。
塗装の目安として、少しでもサビが出てきたタイミングですぐに検討することが大切です。サビが広がってしまうと穴が開きやすくなり、塗装だけでは対応できなくなることもあります。できる限りサビが出始める前に塗り替えを行うのがトタン屋根を長持ちさせるためのポイントです。
屋根塗装の方法
屋根塗装を行う際にはどのような種類の塗料があるのか、また、作業にかかる日数はどれくらいか紹介します。
屋根用塗料の種類と効果
代表的な屋根用塗料は次の4種類です。
フッ素系
耐熱性だけでなく耐寒性や低摩耗性、不燃性にも優れています。価格は高めですが、15年ほど長持ちすることから頻繁なメンテナンスをしたくない方にもぴったりです。
シリコン系
価格は安いものの、紫外線に強く防汚性もあることからコストパフォーマンスに優れています。耐用年数の目安は7~10年ほどです。
ウレタン系
安価な塗料ですが、対摩擦性や光沢に優れています。耐用年数の目安は5~7年ほどです。
現在はシリコン系塗料が主流ですが、シリコン系塗料が登場するまではウレタン系が多く使われていました。
アクリル系
他の種類と比べて最も安価ですが、耐用年数の目安は4~6年ほどと短めです。耐久性が低いことから屋根塗装に使われることはほとんどありません。
頻繁に屋根の色を変えて外観を楽しみたいと考えている方には向いています。
作業工程と日数
一般的には次のようなスケジュールで行われます。
- 1日目…足場の設置
- 2日目…高圧洗浄
- 3日目…下地の処理・ケレン
- 4日目…下塗り
- 5日目…中塗り
- 6日目…上塗り
- 7日目…縁切り
- 8日目…点検
- 9日目…足場の解体・撤去
ケレンとは、鉄部にヤスリで小さな傷をつけて塗料との密着性を高める作業のことをいいます。また縁切りは、屋根のつなぎ目部分が塗料でふさがれないように隙間を入れる作業のことです。
屋根の状態によってかかる日数が変わることもあるので、事前に確認しておくと安心できます。
屋根塗装をする際の注意点やポイント
納得のいく屋根塗装をするためにも、次のポイントをチェックしてみてください。
信頼のおける業者の選び方
安心してお任せできるリフォーム会社・外壁塗装業者を選ぶ際には、以下のポイントを満たしているか確認することをお勧めします。
- 実績が豊富
- 見積書の内容がわかりやすい
- 様々な工事に対応している
- 質問にわかりやすく回答してくれる
- 職人・スタッフの対応が良い
- アフターフォローが充実している
上記の他、外壁塗装業者によって取り扱っている塗料の種類やかかる費用が異なるので、比較しながら検討をすることが大切です。
外壁塗装と同じタイミングで行い費用を抑える
屋根と外壁は同じようなタイミングで劣化するため、両方同時にリフォームを行うのが理想的です。どちらも足場を組むことになるので、同時に行うことにより足場の設置費用を削減できます。
火災保険の活用
屋根のリフォームが必要になった理由が、「風災」と認められた場合には、火災保険の対象になるケースがあります。次の条件に該当するか確認してみてください。
- 屋根修理が必要になった原因が風災である
- 修理が必要になってから3年以内
- 修理費用が20万円以上である
- 代行申請ではなく、本人が申請する
何よりポイントになるのが、風災として認められるか?という点です。
風災とは、台風や強風、雹(ひょう)、大雪などによる自然災害のことで、例えば強風の影響で棟板金が浮いた、雨樋が破損したなどの場合も対象になります。
ただし、必ずしも風災と認められ保険金が下りるとは限らないので注意が必要です。
特に「必ず火災保険の申請が通る」と近付いてきて、無理にリフォームの契約を結ばせようとする悪徳外壁塗装業者もいるので、気を付けなければなりません。
火災保険を利用しようと考えた場合には、親切で丁寧な対応をしてくれる外壁塗装業者を選択することが大切です。